CHAR ROCK FREE CONCERT [音楽]

「タダより怖いものはないってことを思い知らせてやるぜ!」

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CHARのMCで幕を開けたのは、日比谷野外音楽堂で行われたフリーライブであります。
「この暑い中ずっとダラダラ演奏やって、来たことを後悔させるからな!」
と言いつつ、バッキバキの演奏をしちゃうのがCHARなのでありますよ。

CHARによる野音でのフリーライブ(つまり無料)は、ワタクシの知っている範囲ではこれで3回め。

1回めは1980年辺りの、JOHNNY LOUIS&CHARのデビュー時に行われたもの。これはCD音源でしか知りません。
その後、CHAR好きの友達から影響を受けて、せっせとライブに通うようになり、彼の別バンド サイケデリックスもほとんど見に行きました。
2回めは、90年台中盤のJOHNNY LOUIS&CHARの解散時。
バンド名はピンク・クラウドに変えていましたが、武道館の解散ライブの次の日でした。CHARが野音でやると大抵雨が降るのですが、このときの雷雨はすごかった・・・

そして、今回の還暦記念フリーライブとなったわけであります。
アーティストが還暦ともなりますと、来てる観客もその近辺となるわけでありまして、男女ともに平均年齢は非常に高い。
そのなかにチラホラと若い世代が交じるといった状況。
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過去のナンバーをバンドとしてやるのかと思っていたらさにあらず。ゲストギタリストが一人ずつ出てきて、その人とソロバトルをブチかましながら進めていくライブでありました。
なので、出てくる人によってはグダ~っとなるし、火花が散るようにもなるというスリリングなものでしたが、一番驚いたのは、中学生の男の子。
あきら君っていったかな・・・凄いんですよ。
最初のワンフレーズで、何者だ、こいつは!と思わせるブルース・ギター弾き。引き出しも多く、いきなり振られてもきっちり返す。もうメガテンでありました。

続くギタリストも16歳山岸竜之介君。
こちらは更に素晴らしかった。緩急自在で音に感情もこもっていて、わたくしはノリまくりでしたが、周りのご年配の反応が悪い。
ところがこういう方々は、ムッシュが出てきてグダグダな演奏すると大喜びしちゃったりするのであります。

あのCHARが自ら伯楽としての役割を果たそうとしているのに、ちゃんと若手を応援しないと君らの好きな音楽ってそのうち無くなっちゃうよ~って思いましたですよ。
歳取ることの最大の問題って、自分の好きなモノが世の中から無くなってっちゃうことだと最近分かってきたパグ太であります。
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CHARの作り上げる音楽って、レガシーな音楽を聞いてきてないと分からない部分があり、ソロでのちょっとしたフレーズで皆でおお~っとなる時とか、アンコールのジャンピン・ジャック・フラッシュで大合唱しちゃったりする一体感は格別なものがあります。
けれどもそれがまた新規顧客獲得の強固な壁になっていて、分かる人達だけのサークルが変わらないまま歳を取っていくことにつながってるように思えます。それはそれで心地いいので悪いことだと言ってるわけではありませんよ。
でもそのせいなのかは分かりませんが、CHARは何度も大変身をとげていて、分からねえ奴はついてこなくても良いと公言してたこともありました。ファンのふるい落としですね。
ワタクシも、今世紀に入ってからのアルバムで、これはもうついて行けないと感じてふるい落とされちゃったので、超久々のCHARの音楽でしたが、このままずっとレイドバックしてっちゃうのかなぁ~とちょっと残念な気もします。

この日は、先日亡くなられたギタリスト石田長生さんの追悼の意味もあるライブでして、二人のギターデュオユニットBAHOを聴きに行って、演奏してるより喋ってる時間のほうが圧倒的に多いというお笑い系ライブに驚いたことがあります。
けれども、演奏が始まると超絶職人技の世界なので、そのギャップがすごかった・・・
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20年ぐらい前にこの同じステージでLightning Blues Guiterというブルースギターの祭典が行われ、石やんも元気に弾いていたのを覚えています。

そしてこの日彼が書いた曲ハピネスをゲストみんなで演奏し、ちょっと前に亡くなった盟友ジョニーの元奥さん金子マリがコーラスを歌い、観客もそれに合わせた歌声が、トンボが舞う真っ青な空に吸い込まれていったのでありました・・・


午後4時から3時間以上の長丁場。猛烈な湿気と暑さで汗だくでしたが、某バンドのライブとは比べ物にならないぐらい楽でありましたよ。いろんな雑念が浮かんでくる余裕もあったし・・・
全てが懐かしい思い出に直結するようなライブでしたが、昔と何も変わらない風景を見ているような感覚もあって、懐メロ嫌いなワタクシにはちょっと哀しい気分が残るものになりました。


7/21追記
CHARのサイトを発見!またレーベル作ったんですね~、知らなかった。
http://rockplus.zicca.net/
動画もあったので、上げておきます。

https://www.youtube.com/watch?v=jDwV9rnFoQU
去年のツアーでのHEAD SONG。終わったら観客に「サンタナ弾いて~」とムチャ振りされるも、弾き始めてバンドも箱も乗っかっちゃうノリの良さ。笑い泣きしました・・・
もうジムコープリーとは演らないのかなぁ~。あの人の鬼ゴーストノートが懐かしいデス。
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tai-yama

自分の知っている人が・・・と期待している人にとっては無名の若者は・・・
バイク業界のおっさん化は良く言われていますが実は音楽業界のおっさん
化もかなりすすんでいるような。若者=HIP・HOPもちょっと悲しい気も。
by tai-yama (2015-07-20 23:35) 

やなぼー

最近は、レコード(CDか!?それも古いのか!?(爆))の向こうで、誰も
演奏してないのが主流!?ですからね~
ステレオセットの真ん前で、大音量で聞きたいのはないな・・・(-_-;)
私も古くなったのか・・・!?
f^_^;)
by やなぼー (2015-07-21 06:29) 

パグ太

tai-yamaさん、おはようございます。

だからフリーだったのかな?と思いました。CHARの若者を育てたいという意思なのかな、と。
すうさんがインタビューで言ってましたけど、海外のフェスでは最初アウェイでも途中から変わってくるけど、日本は最後まで変わらないそうで。

音楽ファンは決して高年齢化してるわけではなくて、年齢層によって完璧に住み分けしちゃってるように思えます。
双方が交じり合うことが少ないんですね。
そこでまた我田引水でありますが、その点においてもBABYMETALは奇跡的な存在なのでありますよ(爆
by パグ太 (2015-07-21 09:06) 

パグ太

やなぼーさん、おはようございます。

打ち込みのほうがお金かかりませんしね。
ずいぶん昔に、知り合いのセッションドラマーの人が単品の音だけ録られた!と言って怒ってましたが、その頃から始まってたのでしょうね。

自分も、持ってる音源で死ぬまで飽きないだろうと思ってましたが、(これまた牽強付会ですがw)BABYMETALのお陰でいろいろと聴くようになりまして、いまは大変幸せであります。

最近は、何を語っても最後はBABYMETALに繋がってしまう病気にかかっております(笑
by パグ太 (2015-07-21 09:07) 

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