ピュアストレートトーンアーム [オーディオ]
世には、ピュアストレートトーンアームというものが存在するそうな・・・
現在の普通のトーンアームは、J字かS字、パイプがストレートでも先端部分に角度が付いているのですが、これをもうまったくの一直線にしちゃう。
トーンアームの回転中心から針の先端までまったく曲がってないものをピュアストレートアームと称するらしい。
そもそも大昔のトーンアームは真っ直ぐだったのだが、誰かがアームの先端に角度をつけた方がトラッキングエラーが全体として減少するということを発見し、それ以来の常識となっている。(そうなw)
トラッキングエラーとはなんぞやというと、レコードの溝の接線方向とカートリッジの向きの不一致のことであって、これはアームが回転運動をしている限り避けられない。どこかに合わせたとしてもそれ以外の場所では角度が付いてしまうのでありますね。
これを最小にするためにカートリッジに最初から角度を付けてしまうのがこれまでのトーンアームの設計でありました。この角度をオフセット角といいます。
しかしこれには副作用があって、トーンアームから針先までの直線と溝の接線方向に大きな角度が付くためにトレースする針先に内向きの力がかかる。
これを打ち消すためにオモリを付けたり磁石で引っ張ったりの余計な機構が必要となってしまったわけです。
で、別のある人は考えたました。オフセット角をつけることによるメリットは、トラッキングエラーによるデメリットよりもホントに大きいのか?と。
このピュアストレートタイプのアームは、レコードが廃れる寸前に複数のメーカーから発売されたのですが、いかんせん時期が悪かった・・・
しかし、今度YAMAHAの超弩級レコードプレーヤーが限定で発売されるのですが、それに搭載されるアームはピュアストレート!
また、大手ではないけれどもFIDELIXという国内メーカーがすでに販売しているのでありますよ。
そう、いまもっとも旬なトーンアーム、それがピュアストレートトーンアームなのです。
って販売員かよw
しかも今の時代にこんなこと気にする人ってほとんどおらんよなぁ~
しかし、その理屈が気に入ってしまって音がどう変わるのだろうと興味津津でありまして、これ欲しい。
けど高い。
なら作る。
というわけで、最近トーレンス&FR-54ペアに主力の地位を奪われて出番が少なくて、アーム以外左右対称でなんかすぐできそうな我が家のSAEC WE-407を改造しちゃおうかと思いついちゃったのであります。
しかし、技術の粋を集めて作られた407をいじくるなんて、神をも恐れぬ悪行なのではなかろうかと躊躇もいたします。ただまあ、組み立ててあるものは分解できる(ただし元通りになるとは限らないw)と信じて、無理をしない程度にバラしてみることにしました。
まずはカートリッジが接続される金具の取り外しから・・・
非常に小さいマイナスネジ2本と、もっと径が小さいマイナスのイモネジ1本。精密ドライバーの一番小さいやつが必要です。非常に固い。慎重に外します。いまいちイモネジの存在意義が不明です。ネジで引っ張られた分を押し返しているのか?
とりあえずネジは全部外れましたが、パイプにハマっている金具は微動だにしません。こりゃ接着されているのかもしれんからアセトン缶から少し出してこようと思いましたが、最後に試しにもうちょっと力を入れたら、
スポッ!ブチッ!!
いきなりやってしもうたぁ~((((;゜Д゜)))
むちゃくちゃ細い内部配線がぶっちぎれましたw
というわけで、嫌でも先に進まざるを得ないということに・・・
次に、パイプが外れるかどうかです。
アームの回転を司るステー部分には、パイプを固定していると思しきネジが3本。
2本は6角のイモネジをナットで締め付けたもの。6角は0.89mmという極細です。最初にナットを緩めないと固くて回りません。
ナットは対向する辺が3mmぐらいの極小。このサイズのスパナとかボックスは存在するのでしょうか。仕方ないので細いプライヤーで挟んで回しました。
2本ともかなり固いですが取れました。
一番根本に近い十字のネジは、アームのステーに付いている邪魔なネジを取らないとアクセスできませんが、一番小さな精密ドライバーで外せました。
ただ、こいつはパイプの固定には寄与していないような・・・
で、もう固定しているネジはないと思うのですが、すべてを外してもアームはびくともしません。
これをつければ外せないネジはないと言われるベルハンマーを流してみましたが全然だめ。
さらにアセトンをちょっとずつ流してみましたが、微動だにせず。そもそも工作精度良すぎて中に入っていかない感じですよ。もしかすると叩き込んであるのかも・・・
あとはサイドの支持部を外してみないことには中がどうなっているのか調べようがないのですが、絶対専用工具要るよなこれ。
だれか、407/23のパイプ外した人いませんかねぇ・・・外し方教えて下さい。
ちなみに、407のパイプ寸法ですが、外形10mm内径8mmの手に入れやすいものです。だれか挑戦しませんかw
結構がんばりましたが、感度が命のトーンアーム。あまり力を入れてもヤバそう。
というわけで、どうやってもパイプが抜けないので、WE-407をピュアストレート化するという我が野望は潰えました。がっくし
で、いつもだったら切れた線材をハンダ付けしてお茶を濁すのですが、今回は発奮して線材を交換します。
ケーブルといえば!
新たなる野望のためのケーブルもついでに仕入れてきました。
まず、アームの取り付け部分のソケットを引っ張り出しまして、
カートリッジ側に覗いている線材に細い糸を結びつけます。
で、ソケットを引っ張れば、引き込み糸を入り口から出口まで設置完了です。
で、抜いた元の線材は見事にねじってありましたので、
マネッコしてみますが、ヨリを掛けないとなかなか上手くいかない。最初にやった青白の方はちょっと出来が悪くなりました。ちゃんと左右逆周りにしてみた。
で、それをさっきアームの中に引いた糸に結んで引っ張れば、線材はばっちり収まりました。
次は、ハンダ付けですが、根本のソケットの方は簡単。しかし、カートリッジ側は大変でした。
シェルの接点と接触を失わないように、この部分の接点はバネで動くようになっておりまして、反対側に線材をハンダ付けすると熱がプラに伝わって接点の棒がくっついちゃう。接点の動きが渋くなると接続が離れちゃう可能性があるので、一瞬の早業でハンダ付けを終えねばなりません。
こういうときに、手が震えちゃうんですよw
シェルを付けた状態だとプラとハンダ付けする部分がいくぶん離れるのでなんとかなりました。昔持ってた放熱のための洗濯バサミみたいなやつ、見つからなかったのですが、やる人は絶対それ使ったほうがいいです。
こういうのって、昔の人には常識なんだろうけど、そのころネットなかったから、ノウハウが伝承されてないのよね。
むちゃ苦労しましたができあがり。接点もスルスルです。が、集中してると写真わすれるのよ。
出音ですが、ちょっとびっくりするぐらい変わりました。
すごく元気がでてくっきりした感じ。一番変わったのは低音で、量感が増したのに切れがある。
線材は、もちろんモガミ!w
2706です。元のよりちょっと太くなりましたが、絶縁体が柔らかく感じますので、感度への影響はないのではないでしょうか。
これで、入り口から出口まで全部モガミになりましたヽ(^o^)丿
まあ、最初の大失敗を覆して、さらに得をした感があります。
けど、ピュアの方の野望はさらに高まりつつあり・・・
現在の普通のトーンアームは、J字かS字、パイプがストレートでも先端部分に角度が付いているのですが、これをもうまったくの一直線にしちゃう。
トーンアームの回転中心から針の先端までまったく曲がってないものをピュアストレートアームと称するらしい。
そもそも大昔のトーンアームは真っ直ぐだったのだが、誰かがアームの先端に角度をつけた方がトラッキングエラーが全体として減少するということを発見し、それ以来の常識となっている。(そうなw)
トラッキングエラーとはなんぞやというと、レコードの溝の接線方向とカートリッジの向きの不一致のことであって、これはアームが回転運動をしている限り避けられない。どこかに合わせたとしてもそれ以外の場所では角度が付いてしまうのでありますね。
これを最小にするためにカートリッジに最初から角度を付けてしまうのがこれまでのトーンアームの設計でありました。この角度をオフセット角といいます。
しかしこれには副作用があって、トーンアームから針先までの直線と溝の接線方向に大きな角度が付くためにトレースする針先に内向きの力がかかる。
これを打ち消すためにオモリを付けたり磁石で引っ張ったりの余計な機構が必要となってしまったわけです。
で、別のある人は考えたました。オフセット角をつけることによるメリットは、トラッキングエラーによるデメリットよりもホントに大きいのか?と。
このピュアストレートタイプのアームは、レコードが廃れる寸前に複数のメーカーから発売されたのですが、いかんせん時期が悪かった・・・
しかし、今度YAMAHAの超弩級レコードプレーヤーが限定で発売されるのですが、それに搭載されるアームはピュアストレート!
また、大手ではないけれどもFIDELIXという国内メーカーがすでに販売しているのでありますよ。
そう、いまもっとも旬なトーンアーム、それがピュアストレートトーンアームなのです。
って販売員かよw
しかも今の時代にこんなこと気にする人ってほとんどおらんよなぁ~
しかし、その理屈が気に入ってしまって音がどう変わるのだろうと興味津津でありまして、これ欲しい。
けど高い。
なら作る。
というわけで、最近トーレンス&FR-54ペアに主力の地位を奪われて出番が少なくて、アーム以外左右対称でなんかすぐできそうな我が家のSAEC WE-407を改造しちゃおうかと思いついちゃったのであります。
しかし、技術の粋を集めて作られた407をいじくるなんて、神をも恐れぬ悪行なのではなかろうかと躊躇もいたします。ただまあ、組み立ててあるものは分解できる(ただし元通りになるとは限らないw)と信じて、無理をしない程度にバラしてみることにしました。
まずはカートリッジが接続される金具の取り外しから・・・
非常に小さいマイナスネジ2本と、もっと径が小さいマイナスのイモネジ1本。精密ドライバーの一番小さいやつが必要です。非常に固い。慎重に外します。いまいちイモネジの存在意義が不明です。ネジで引っ張られた分を押し返しているのか?
とりあえずネジは全部外れましたが、パイプにハマっている金具は微動だにしません。こりゃ接着されているのかもしれんからアセトン缶から少し出してこようと思いましたが、最後に試しにもうちょっと力を入れたら、
スポッ!ブチッ!!
いきなりやってしもうたぁ~((((;゜Д゜)))
むちゃくちゃ細い内部配線がぶっちぎれましたw
というわけで、嫌でも先に進まざるを得ないということに・・・
次に、パイプが外れるかどうかです。
アームの回転を司るステー部分には、パイプを固定していると思しきネジが3本。
2本は6角のイモネジをナットで締め付けたもの。6角は0.89mmという極細です。最初にナットを緩めないと固くて回りません。
ナットは対向する辺が3mmぐらいの極小。このサイズのスパナとかボックスは存在するのでしょうか。仕方ないので細いプライヤーで挟んで回しました。
2本ともかなり固いですが取れました。
一番根本に近い十字のネジは、アームのステーに付いている邪魔なネジを取らないとアクセスできませんが、一番小さな精密ドライバーで外せました。
ただ、こいつはパイプの固定には寄与していないような・・・
で、もう固定しているネジはないと思うのですが、すべてを外してもアームはびくともしません。
これをつければ外せないネジはないと言われるベルハンマーを流してみましたが全然だめ。
さらにアセトンをちょっとずつ流してみましたが、微動だにせず。そもそも工作精度良すぎて中に入っていかない感じですよ。もしかすると叩き込んであるのかも・・・
あとはサイドの支持部を外してみないことには中がどうなっているのか調べようがないのですが、絶対専用工具要るよなこれ。
だれか、407/23のパイプ外した人いませんかねぇ・・・外し方教えて下さい。
ちなみに、407のパイプ寸法ですが、外形10mm内径8mmの手に入れやすいものです。だれか挑戦しませんかw
結構がんばりましたが、感度が命のトーンアーム。あまり力を入れてもヤバそう。
というわけで、どうやってもパイプが抜けないので、WE-407をピュアストレート化するという我が野望は潰えました。がっくし
で、いつもだったら切れた線材をハンダ付けしてお茶を濁すのですが、今回は発奮して線材を交換します。
ケーブルといえば!
新たなる野望のためのケーブルもついでに仕入れてきました。
まず、アームの取り付け部分のソケットを引っ張り出しまして、
カートリッジ側に覗いている線材に細い糸を結びつけます。
で、ソケットを引っ張れば、引き込み糸を入り口から出口まで設置完了です。
で、抜いた元の線材は見事にねじってありましたので、
マネッコしてみますが、ヨリを掛けないとなかなか上手くいかない。最初にやった青白の方はちょっと出来が悪くなりました。ちゃんと左右逆周りにしてみた。
で、それをさっきアームの中に引いた糸に結んで引っ張れば、線材はばっちり収まりました。
次は、ハンダ付けですが、根本のソケットの方は簡単。しかし、カートリッジ側は大変でした。
シェルの接点と接触を失わないように、この部分の接点はバネで動くようになっておりまして、反対側に線材をハンダ付けすると熱がプラに伝わって接点の棒がくっついちゃう。接点の動きが渋くなると接続が離れちゃう可能性があるので、一瞬の早業でハンダ付けを終えねばなりません。
こういうときに、手が震えちゃうんですよw
シェルを付けた状態だとプラとハンダ付けする部分がいくぶん離れるのでなんとかなりました。昔持ってた放熱のための洗濯バサミみたいなやつ、見つからなかったのですが、やる人は絶対それ使ったほうがいいです。
こういうのって、昔の人には常識なんだろうけど、そのころネットなかったから、ノウハウが伝承されてないのよね。
むちゃ苦労しましたができあがり。接点もスルスルです。が、集中してると写真わすれるのよ。
出音ですが、ちょっとびっくりするぐらい変わりました。
すごく元気がでてくっきりした感じ。一番変わったのは低音で、量感が増したのに切れがある。
線材は、もちろんモガミ!w
2706です。元のよりちょっと太くなりましたが、絶縁体が柔らかく感じますので、感度への影響はないのではないでしょうか。
これで、入り口から出口まで全部モガミになりましたヽ(^o^)丿
まあ、最初の大失敗を覆して、さらに得をした感があります。
けど、ピュアの方の野望はさらに高まりつつあり・・・
"壊したか!"と思ったら、まさかの改良になるとは(笑)。
FIDELIXのトーンアームすごいお値段ですね。自作したくなるかも。
by tai-yama (2018-10-23 00:01)
楽しそうだな~
でも・・・
近付かないようにしないと・・・(^_^;)
by やなぼー (2018-10-23 06:05)
tai-yamaさん、おはようございます
まあ腹が座ったと申しましょうかw
悲しいことに、FIDELIXのトーンアームは現行品の中ではかなりお安い方なのです。
好事家しか買わないので、開発費やら諸々を回収しようとすればこういうことになってしまうのでありますね。
こうなってしまいますと、もはや趣味としての一般化は困難だと思います・・・しくしく
by パグ太 (2018-10-24 08:44)
やなぼーさん、おはようございます
むっちゃ楽しいですぞよ。
ぜひお近づきになりたいとオーディオさんもおっしゃっておられますw
by パグ太 (2018-10-24 08:44)